「AIに聞いてみたけど、うちには使えなかった」。そう思ってやめた人に向けて書きました。 悪いのは聞き方でもAIの性能でもなくて、何も知らない相手にいきなり仕事を頼んでいたことなんですよ。
育てている途中は、しょっちゅうズレます。ズレること自体は失敗ではありません。 問題は、ズレたときに「もう一回書き直して」としか言えないことです。 それは、新人が的外れな資料を持ってきたときに「もう一回やって」とだけ言って突き返しているのと同じで、次も同じものが出てきます。
ズレには型があります。事実が足りていないのか、やってほしくないことを言っていないのか、 指示が抽象的すぎるのか、どの立場でしゃべってほしいかを言っていないのか、出力の形を決めていないのか。 型が分かると、直す場所が一目で分かります。
新しいスタッフが入ってきた初日に、「うちのお客さんに合うメニューを考えておいて」とは言いませんよね。 まず店を見せます。どんなお客さまが来るのか、何を売りにしているのか、逆に絶対に言ってはいけないことは何か。 それを教えてから、少しずつ任せていく。AIに対して、私たちはそれをやっていません。
誰も教えてくれませんでした。そのあとで、もっとひどいことが以前にも起きていたと分かります。 失敗すると音が鳴りますが、動かなかったときは何も起きません。 AIに何かを任せている人は、たぶん同じ穴の上に立っています。
専門知識は要りません。プログラムを書ける必要もありません。私も書けません。 パソコンが得意である必要もありません。この本に出てくる作業のほとんどは、 文章を書いて、決まった場所に置くだけです。
時間がない方は、第1章と第4章だけ読んでください。それだけで、AIとの付き合い方は変わります。
今村雅史(いまむら まさふみ)。合同会社Life Style Proposer 代表。 銀座でパーソナルトレーニングジムを営むコーチ。指導歴20年以上。 ジムの運営と並行して、中学校のバスケットボール部で現場に立ち、 同業のトレーナーや治療家に向けてAIの育て方を教えています。
プログラムは書けません。パソコンも得意ではありません。 それでも、店の仕事を少しずつAIに任せられるようになりました。 その過程でうまくいったことと、静かに失敗していたことを、そのまま本にしています。
本の第2章に出てくる「秘書」を、先に手を動かして作ってみることができます。 実際につまずいたところはつまずき集に症状別で並べてあります。