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AIがうまく動かないときの、つまずき集

最終更新: 2026年8月4日 / 現在 9件 / 合同会社LSP「AIの育て方」

ここに並んでいるのは、全部わたしが実際に踏んだものです。 どれも原因は違いますが、共通しているのは 直す場所が「指示」ではなく「前提」のほうにあるということ。 詰まりが見つかるたびに、このページに足していきます。

9 件を表示中 / 見出しを押すと開きます
1

昨日教えたことを、今日は覚えていない

記憶
何が起きているか

AIは会話をまたいで覚えていません。しゃべるたびに、それまでのやりとりを最初から読み直しています。会話を閉じると、その紙は渡されなくなります。

直すところ
覚えさせようとするのをやめて、前提を書いた1枚を、会話のたびに最初に渡す。 書くのは、何の仕事か/誰が相手か/何を売っているか/言ってはいけないこと、の4つで足ります。

詳しくは AIが毎回忘れるのを、やめさせる方法

2

最初はよかったのに、途中から一般論に戻った

記憶
何が起きているか

会話が長くなって、最初に渡した前提が押し出されています。一度に渡せる量には上限があり、古いほうから順に抜けていきます。「さっき言ったのに」の正体はこれです。

直すところ
会話を切って、新しく始め直す。そのとき前提の1枚を貼り直してから続きを話します。 長い相談を1本の会話で押し切らないほうが、結果が安定します。
3

動いているはずのものが、静かに止まっていた

自動化
何が起きているか

これがいちばん怖い症状です。失敗すると音が鳴りますが、実行されなかった場合は何も起きません。エラーも通知も出ないまま、ただ何日も止まっています。

毎日決まった時刻に情報を集める仕組みが、3日間まったく動いていなかったことがありました。エラーは1件も出ていません。気づいたのは、集まっているはずの件数が増えていないのを見たときでした。原因は、同じ時間帯に処理を並べすぎたこと。一度に走れる本数には限りがあり、後ろに並んだものが順番待ちのまま流れていました。

直すところ
任せる仕事には、必ず「動いていることを確かめる線」を1本引く。 件数でも、最終更新の日時でも、結果が残る場所ならどこでもかまいません。週に一度そこを見るだけで、静かな停止に気づけます。

自動化そのものより、止まったときに気づける形にしておくことのほうが大事です。

4

書かせた文章が、自分の言葉にならない

文章
何が起きているか

自分の文章を見せていないからです。「自然に」「親しみやすく」と形容詞で頼んでも、相手にはどこを目指せばいいのか分かりません。整ってはいるけれど自分では書かない言い回しになります。

直すところ
過去に自分で書いた文章を、数百字そのまま渡す。 「この書き方に合わせてください」と添えるだけで変わります。説明するより、実物を見せるほうが早いです。
5

同じ間違いを、何度言っても繰り返す

前提
何が起きているか

注意した場所が会話の中だからです。その会話が終われば、注意も一緒に消えています。「それは言わないで」と伝えてそのときは直る、翌日また同じことをする、の繰り返しになります。

直すところ
指示ではなく、前提の1枚に「やってほしくないこと」を1行足す。 うまくいかない原因の多くは、やってほしいことの不足ではなく、やってほしくないことを伝えていないことにあります。 人を雇うときと同じで、事故は「言わなくても分かるだろう」と思っていたところで起きます。
6

長すぎる、短すぎる、形が毎回ちがう

出力
何が起きているか

出力の形を決めていないからです。字数、箇条書きか文章か、表にするか。決めていなければ毎回変わります。

直すところ
形を前提のほうに書いておく。毎回の指示に書くのではありません。 一度前提に入れておけば、次から言わなくても同じ形で返ってきます。
7

作ったファイルやフォルダが、どこにあるか分からなくなった

運用
何が起きているか

AIの答えがおかしいのではなく、こちらの手が広がりすぎている状態です。頼めばすぐ動くので、つい一度に三つも四つも走らせてしまいます。作る速さに、置き場所を決める速さが追いついていません。

私の場合、しばらく経つとこうなっていました。フォルダを作った記憶はあるのに、どこに作ったか思い出せない。動いているはずのものが、いくつあるのかすら数えられない。どれも七割くらいで止まっていて、最後まで終わっているものが一つもない。楽をするために始めたのに、探しものが増えていました。

直すところ
三つあります。
走らせるのは一度に一つ。動き出して落ち着いてから次に進む
作らせる前に、置き場所を先に決める。フォルダを自分で作って「ここに作って」と指定する
いま動いているものを書き出す場所を、一つ持つ。メモ1枚で足ります

③がいちばん効きます。数えられない状態がいちばん重いので、まず数えられるようにしてください。

8

AIが書いた文章に、身に覚えのない体験談や数字が入っている

文章
何が起きているか

AIは空欄を嫌います。分からないところを「分かりません」と残すより、それらしいものを置いて埋めようとします。悪気はなく、文章として成立させようとした結果です。怖いのは、それが自分の名前で外に出ていくことです。

私の場合はこうでした。AIに書かせた記事を土台にして、別の投稿を作らせた。出てきた文章に「正直に言うと、数字は得意ではありません」と書いてあった。私は数字は得意です。ほかにも、なかったはずの「最初の一週間でやめかけた」という時期と理由が入っていた。三件まとめて指摘して、ようやく気づきました。

一段目の下書きにあった作り話を、二段目の材料にしていたわけです。回を重ねるほど、それは自分の経歴のように見えてきます。

直すところ
三つあります。
① 外に出す前に一度だけ聞く。「この中で、私が実際に言っていないこと・確かめていない数字はどれ?」
AIが書いたものを、次の文章の材料にしない。元にするのは自分が書いたものだけ
③ 裏が取れないものは消す。捨てたくなければ「要確認」と印をつけて別の場所に置く

間違いそのものより、それが自分の口から出た話として外に出ることのほうが痛いです。チラシに載ってからでは戻せません。

9

料金やプランの話を、自信満々に間違える

前提
何が起きているか

AIは、自分が動いているサービスの最新の値段や条件を見ていません。以前に読んだ情報のまま答えます。しかも言い方が堂々としているので、こちらは確かめずに信じてしまいます。

私は、あるAIの料金の仕組みを勘違いしたまま二週間、それを前提に全部の設定を組んでいました。公式の案内を読んで、初めて違うと分かりました。

直すところ
値段・プラン・できること/できないことは、AIに聞かず、公式の案内で確かめる。そのうえで前提の文章に1行足しておきます。

「料金・プラン・できること/できないことを、記憶で答えない。公式の案内を見てから答える。見に行けないときは『確認が要ります』と言って止まる」

値段の話は、間違えると設計ごとやり直しになります。

その症状は、まだこのページにありません。
下の3つを書き出すと、原因が絞れることが多いです。

ここに無い症状だったとき

この3つが揃うと、たいていは「前提が渡っていない」「形を決めていない」「やってほしくないことを言っていない」のどれかに落ちます。

あわせて読む: AIの答えが一般論にしかならないときに、直すところ個人事業主がAIに最初に任せる仕事の、選び方

詰まったところから始めるのが、いちばん早い

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ここに書いた前提の1枚も、その中に入っています。

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