「うちのお客さんが続かないんですが、どうしたらいいですか」と聞いて、 返ってきたのが「目標設定を一緒に行い、小さな成功体験を積み重ねましょう」。 知ってるよ、という答えです。 これでAIを見限る人が本当に多いんですが、原因は聞き方ではないんですよ。
考えてみると当たり前で、いまの話をまったく知らない人にいきなり 「うちのお客さんが続かない」と言ったら、その人も同じことを言います。 目標を決めましょう、小さく始めましょう、と。それしか言えないので。
AIが凡庸なのではなく、その場で言える範囲のことしか言っていないだけなんです。 だから直すのは、聞き方ではなく渡す材料のほうです。
①は、数字と、実際に出た言葉のまま書きます。 「続かない」ではなく「10回券を買った方の3人が、5回目までで来なくなった。最後の連絡は『仕事が落ち着いたらまた』でした」。 これだけで、AIが考えられる範囲がまったく変わります。
②は、教科書に載っている選択肢を先に外すためのものです。 「予約のリマインドは送っている」「次回予約はその場で取ってもらっている」と書いておけば、 その二つを提案してくることはなくなります。凡庸な答えは、こうやって最初から潰しておく。
③は、実行できない案が返ってくるのを防ぎます。 「一人でやっているので、手作業が毎日発生するものは無理です」の一行があるかないかで、返ってくる案の質が変わります。
【いま起きていること】 ・10回券を買った方のうち3人が、5回目までで来なくなった。 ・最後にもらった連絡は「仕事が落ち着いたらまた」。 ・来なくなる前の2回は、いずれも予約の変更が入っていた。 【もう試して効かなかったこと】 ・前日のリマインド送信。読まれてはいる。 ・その場での次回予約。予約は取るが、後で変更になる。 【採用できる条件】 ・一人でやっているので、毎日手作業が発生するものは無理。 ・お金をかけずにできる範囲で。
この6行を貼ってから、同じ質問をします。 書くのに3分もかかりません。それでも、返ってくるものは別物になります。
「プロンプトの書き方」を調べると、丁寧な言い回しや呪文のような定型文がたくさん出てきます。 試すのは自由ですが、一般論が返ってくる問題は、それでは直りません。 足りていないのは言い方ではなく、AIが知りようのない自分側の事実だからです。
役割を与えると、口調は変わります。専門用語も増えます。それで「深くなった」と感じてしまうのが厄介なところで、 中身を読むと、言っていることは前と同じだったりします。
渡すなら、何を優先して、何を捨てるかのほうです。 「短期の結果より、続けられることを優先する」「合わない人には勧めない」。 こういう一行が入ると、返ってくる案の並び順が変わります。ここが役割指定との違いです。
この順番で足していくと、たいてい2回目か3回目で、自分の現場の話になります。
名前を書く必要はありません。「Aさん」で十分です。 住所も、連絡先も、病歴も要りません。判断に必要なのは いつ・何が起きて・自分が何をしたかだけなので、それを伏せずに書けば足ります。
ここは最初に線を引いておいたほうがいいところです。 「渡せるものと渡せないもの」を自分の中で決めていないと、便利さに引っ張られて、あとから困ることになります。
毎回同じ前提を説明し直しているなら、そちらは AIが毎回忘れるのを、やめさせる方法のほうに書いてあります。 自分の前提を1枚にして会話の外に置いておく話です。
その1枚があると、この記事の①と③は毎回書かなくてよくなります。 毎回書くのは②(今回すでに試して駄目だったこと)だけになる。ここまで来ると、かなり楽です。
ほかの症状は、AIがうまく動かないときの、つまずき集にまとめてあります。
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