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AIの答えが一般論に
しかならないときに、直すところ

公開: 2026年8月5日 / 最終更新: 2026年8月5日 / 合同会社LSP「AIの育て方」

「うちのお客さんが続かないんですが、どうしたらいいですか」と聞いて、 返ってきたのが「目標設定を一緒に行い、小さな成功体験を積み重ねましょう」。 知ってるよ、という答えです。 これでAIを見限る人が本当に多いんですが、原因は聞き方ではないんですよ。

AIの答えが当たり前の内容にしかならないのは、なぜですか?

判断に使う材料を渡していないからです。 材料がないとき、AIは誰にでも当てはまる無難な答えを返します。

考えてみると当たり前で、いまの話をまったく知らない人にいきなり 「うちのお客さんが続かない」と言ったら、その人も同じことを言います。 目標を決めましょう、小さく始めましょう、と。それしか言えないので。

AIが凡庸なのではなく、その場で言える範囲のことしか言っていないだけなんです。 だから直すのは、聞き方ではなく渡す材料のほうです。

では、何を渡せばいいですか?

三つです。①いま起きている事実 ②すでに試して駄目だったこと ③どういう答えなら採用できるかの条件。 このうち②が一番効きます。

①は、数字と、実際に出た言葉のまま書きます。 「続かない」ではなく「10回券を買った方の3人が、5回目までで来なくなった。最後の連絡は『仕事が落ち着いたらまた』でした」。 これだけで、AIが考えられる範囲がまったく変わります。

②は、教科書に載っている選択肢を先に外すためのものです。 「予約のリマインドは送っている」「次回予約はその場で取ってもらっている」と書いておけば、 その二つを提案してくることはなくなります。凡庸な答えは、こうやって最初から潰しておく。

③は、実行できない案が返ってくるのを防ぎます。 「一人でやっているので、手作業が毎日発生するものは無理です」の一行があるかないかで、返ってくる案の質が変わります。

渡す材料は、こういう形で足します

【いま起きていること】
・10回券を買った方のうち3人が、5回目までで来なくなった。
・最後にもらった連絡は「仕事が落ち着いたらまた」。
・来なくなる前の2回は、いずれも予約の変更が入っていた。

【もう試して効かなかったこと】
・前日のリマインド送信。読まれてはいる。
・その場での次回予約。予約は取るが、後で変更になる。

【採用できる条件】
・一人でやっているので、毎日手作業が発生するものは無理。
・お金をかけずにできる範囲で。

この6行を貼ってから、同じ質問をします。 書くのに3分もかかりません。それでも、返ってくるものは別物になります。

プロンプトを長く丁寧に書けば解決しませんか?

長さは関係ありません。 指示を丁寧にしても、材料が増えていなければ答えは変わらないからです。

「プロンプトの書き方」を調べると、丁寧な言い回しや呪文のような定型文がたくさん出てきます。 試すのは自由ですが、一般論が返ってくる問題は、それでは直りません。 足りていないのは言い方ではなく、AIが知りようのない自分側の事実だからです。

「あなたは経験豊富なトレーナーです」のような役割指定は効きますか?

役割の指定だけだと、その職業がよく言いそうな言い回しに変わるだけで、中身は一般論のままです。 効くのは役割ではなく、判断基準です。

役割を与えると、口調は変わります。専門用語も増えます。それで「深くなった」と感じてしまうのが厄介なところで、 中身を読むと、言っていることは前と同じだったりします。

渡すなら、何を優先して、何を捨てるかのほうです。 「短期の結果より、続けられることを優先する」「合わない人には勧めない」。 こういう一行が入ると、返ってくる案の並び順が変わります。ここが役割指定との違いです。

一般論が返ってきたときの手順

  1. 指示を書き直そうとする手を、いったん止める
  2. 「この話を知らない人には、これを言うしかないな」と思えるか確かめる
  3. 思えたら、AIではなく材料が足りていない。事実を3行足す
  4. それでも当たり前なら、すでに試して駄目だったことを2行足す

この順番で足していくと、たいてい2回目か3回目で、自分の現場の話になります。

具体的な数字を渡すのが怖いのですが、渡さないといけませんか?

個人が特定される情報と、お客様から預かった情報は渡さないでください。 渡すのは自分の仕事の状況であって、人の情報ではありません。

名前を書く必要はありません。「Aさん」で十分です。 住所も、連絡先も、病歴も要りません。判断に必要なのは いつ・何が起きて・自分が何をしたかだけなので、それを伏せずに書けば足ります。

ここは最初に線を引いておいたほうがいいところです。 「渡せるものと渡せないもの」を自分の中で決めていないと、便利さに引っ張られて、あとから困ることになります。

これは、覚えさせる話とは別ですか?

別です。こちらは1回の会話の中身の話、覚えさせるのは会話をまたぐ話。 両方やると、毎回の説明が消えて、答えも自分の仕事のものになります。

毎回同じ前提を説明し直しているなら、そちらは AIが毎回忘れるのを、やめさせる方法のほうに書いてあります。 自分の前提を1枚にして会話の外に置いておく話です。

その1枚があると、この記事の①と③は毎回書かなくてよくなります。 毎回書くのは②(今回すでに試して駄目だったこと)だけになる。ここまで来ると、かなり楽です。

ほかの症状は、AIがうまく動かないときの、つまずき集にまとめてあります。

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